大阪高等裁判所 昭和40年(ラ)309号 決定
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔決定理由〕おもうに、競売法二九条によつて不動産任意競売の場合に準用される民訴法六六一条によると、競売期日の公告は裁判所の掲示板、および不動産所在地の市町村の掲示板に掲示してこれをなす旨定められているところ、右公告を掲示すべき期間については別段法律の規定はない。しかしながら、同じく同法六五九条一項によると、競売期日は公告の日より一四日の後たるべしと定められているのであつて、右規定が右公告により多数の競売申出人を誘引し、公正な競売価格を得ようとする趣旨であることにかんがみると、右公告については、原則として一四日間これを掲示することを要するものと解するのが相当である。もつとも、右は原則であり、右公告掲示期間の一両日の不足の如きは、特段の事情でもない限り、別に右公告を違法ならしめるかしとするに足りないというべきである。
これを本件についてみるに、一件記録中の競売期日公告等によると、原裁判所は本件不動産の競売期日を昭和四〇年一一月二九日午前一〇時、競売場所を原裁判所内不動産競売室、最低競売価格を金二、八四九万一、〇〇〇円と定め、同年一一月八日その旨の公告を同裁判所掲示場に掲示するとともに、右不動産の所在地である京都市下京区役所に右公告の掲示方を嘱託し、同区役所は右嘱託に基づき翌九日同区役所掲示場に右公告を掲示したことを認めることができる。もつとも、抗告人提出にかかる公正証書、および報告書によると、右公告のうち前記のとおり原裁判所の掲示板に掲示された分については、少くとも同年一一月二〇日以降その掲示を欠いていたことを認めることができるけれども、前記事実に徴し同年一一月八日から同月一九日まで一二日間引続き右掲示のなされたことが推認できる以上、前記説示から明らかなように、その後の掲示を欠いたからといつて右公告を違法ならしめるものではないといわなければならない。(金田宇佐夫 中島一郎 坂井昱朗)